本づくりマメ知識

よりよい本づくりのために

出版物はただの印刷物とは違います。公共的な書物にするために、いくつかの制作工程や多くの編集知識、専門知技術が必要です。当社の編集者は、これまでに培った経験をもとに、よきアドバイザーとして、原稿を付加価値の高い作品に仕上げていきます。

どんな本に仕上げたいのかを書いてみる

どのような構成にするのか、誰に読んでほしいのか、またこの本をつくる目的は何か。そして、どんな判型にし、製本様式はどうするのか、何ページくらいになるのか、使用する紙や文字の書体・大きさはどんなものが好みか、など、まずはどんな本に仕上げたいのかを書き上げてみましょう。この作業が「企画」にあたり、この過程を疎かにすると、制作途中にコンセプトがずれて、余計な手間や費用がかかってしまうことになります。

原稿執筆にあたって

企画が決まったら、原稿執筆に取りかかります。なるべく平易な言い回しとし、一文一文を短くすることを心がけましょう。副詞や接続詞などはひらがなを用いると、読みやすい文章になります。年号や単位、数字の表記もルールを決め、また、大見出し・中見出し・小見出しなど、内容を簡潔に表した見出しをつけながら書き進めましょう。

何度も読み返しましょう

原稿が仕上がったら、時間をかけて何度も読み返してみましょう。原稿執筆時には気づかなかった間違いや記述もれ、説明不足、勘違い、表記の不統一などは、読み返せば読み返すほど出てくるものです。何度も念入りに「推敲」し、より完璧に近い原稿に仕上げて入稿すれば、制作作業をスムーズに行えることにつながり、結果としてムダな手間や追加費用を抑えることにつながります。

校正のポイント

校正段階では、誤字脱字はないか、表記は統一されているか、希望通りの体裁に仕上がっているかなどを確認します。校正を的確に進めるポイントは、一度にすべてチェックしようと考えないこと。原稿通りになっているか、固有名詞の間違いや表記の不統一はないか、見出しの付け方は的確かどうか、など、確認すべきポイントを絞って何度か読み返すことです。最後に素読みをして全体の構成に疑問がないかチェックしますが、この時、第三者に新しい視点で確認してもらうことも、校正の精度を上げる有効な手段です。

書名の付け方

書名は内容が的確に、しかも簡潔に表現されている必要があります。また印象的な言葉で、人の心をつかむものであることが重要です。奇をてらって、無意味に英語やローマ字、カタカナのタイトルを付けると、どんな内容の本か分からなくなってしまうことがあります。まずは、その著書を一言で言い表せるキーワードや、内容に深く関わっている言葉を見つけてから考えるのがよいでしょう。

制作費をできるだけ変動しないようにするには

発注段階では、原稿量や仕様・体裁のご希望をお聞きして、およその金額を弾きます。ただし、実際の作業量が見えないまま算出しますので、最終的な制作金額と差異が発生する場合があります。価格が変動する代表的な例としては、当初見込んでいたページ数や用紙・装幀などの仕様と、確定した仕様との差額や、著者側の都合による作業量の増加などがあります。もちろん、予算内で収まるようアドバイスを行い、差額が発生しそうな場合には事前にご相談するなど、できる限りの対応をしますが、やはり発注段階でできるだけ詳しくご希望をお伝えいただくことがポイントとなります。

知っておきたい基礎知識

本のサイズや印刷・製本の種類など、本にはさまざまな仕様・体裁があります。また、いろいろな業界用語も存在しています。本づくりをスムーズに行うために、知っておくと役立つ基礎知識を紹介します。

判型

【四六判】188×127ミリ
単行本としてはもっともポピュラーなサイズです。小説やエッセー、句集・歌集・詩集、自分史などに多く使われています。
【A5判】210×148ミリ
四六判より少し大判です。近年は読みやすさやデザイン性を意識して、文芸書や句集・歌集・詩集、自分史など、さまざまなジャンルで使われています。
【B5判】257×182ミリ
週刊誌のサイズです。おもに社史・記念誌や写真集、画集などに使われます。
【A4判】297×210ミリ
おもに社史・記念誌や写真集、画集などに使われます。

製本

【並製本】
いわゆるソフトカバーの本です。厚めの紙を表紙として使用し本文をくるみます。上製本よりも安価にできます。
【上製本】
いわゆるハードカバーの本です。表紙の芯としてボール紙を使用して厚みを出します。より頑丈な造本が可能で、フォーマルな体裁に仕上がります。クロス(布)による装幀も可能です。

印刷

【オフセット印刷】
原稿から版(はんこ)を起こし、版に付けられたインキがブランケットを介して用紙に印刷されます。現在主流を占めている印刷方式で、品質や耐久性に優れています。しかし少部数では割高になってしまうことがあります。
【オンデマンド印刷】
「オンデマンド」とは「必要に応じて」という意味です。コンピューターから直接出力するため、少部数の場合はコストパフォーマンスに優れています。インキではなくトナーを用いて印刷します。

本の各部分の名称

本づくり基本用語集

【ISBN-あいえすびーえぬ】
国際標準図書番号。書籍の流通業務をコンピューター処理するためのコードのこと。13桁の数字で国籍・出版社・書名を表示する。
【赤字-あかじ】
誤字や脱字、欠字などの訂正箇所のこと。修正を加えることを「赤字を入れる」という。
【色校正-いろこうせい】
色合いがきちんと仕上がっているかどうか確認すること。主にDDCP(デジコン)を用いてチェックする。実際に使用する用紙での色校正は「本紙校正」といい割高になる。
【折-おり】
ページ順に折りたたむ作業。または折ったもののことをいい、16ページ折、8ページ折などがある。
【キャプション-きゃぷしょん】
主に写真や挿絵など、図版類に添えた説明文のことを指す。
【級数・Q数-きゅうすう】
文字の大きさの単位。1級は0.25ミリ。
【下版-げはん】
校了になった原稿を製版、印刷工程に送ること。下版後は原則として修正できない。
【校正-こうせい】
文字に誤りがないか、写真は指定どおりに配置されているかなどを確認する作業。
【校了-こうりょう】
修正作業が終了し、校正が完了した状態。
【作字-さくじ】
必要な文字が無い場合に、新たに文字を作成すること。
【責了-せきりょう】
「責任校了」の略。
【装幀-そうてい】
本全体のデザインのことで、主にカバーや表紙などのデザインを指す。
【台割-だいわり】
構成順序とページ数を指定したもの。
【束見本-つかみほん】
本の厚さ(束)を確認するために、実際に使用する用紙で作った見本誌のこと。
【トリミング-とりみんぐ】
写真の一部分だけを抜き出すこと。
【トンボ-とんぼ】
位置合わせや見当合わせに使う十字マーク。実際には印刷されない。
【ノンブル-のんぶる】
ページ番号のこと。
【箔押し-はくおし】
金色箔などを圧着する加工。表紙のタイトル等によく用いられる。
【柱-はしら】
本文ページの余白部分に入れた書名や見出し、章のタイトルなど。
【PP加工-ぴーぴーかこう】
表紙やカバーなど印刷された紙にフィルムを圧着する加工。表面保護や光沢感の向上などのために行う。
【ポイント-ぽいんと】
文字の大きさを表す単位。1ポイントは0.3514ミリ。
【ルビ-るび】
難読文字などの脇につくよみがな。